2008年09月08日 [ コンサート感想 ]
それは1785年のことだった。エステルハージ家の元で音楽家を務めていたハイドンに、遠くスペインから風変わりな宗教作品の依頼があったのは。その結果生まれた「十字架上の七つの言葉」という管弦楽向け作品は、弦楽四重奏、ピアノ、そしてオラトリオに編曲され、結果としてこの時代を反映した重要な作品の一つとなった。ただ、演奏は難しい作品のはずだ。なぜなら、この作品が狙う死の間際でのキリストの言葉の表現のためには、その「言葉」だけではなく、その言葉を発することの苦しみの領域に立ち入っていく必要があるだろうから。21世紀において、そのような演奏に出会うことは、稀ではあるけど、実演やCDを通じて、確かに出会うことはできる。
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2008年04月22日 [ コンサート感想, バロック以前, ロマン派 ]
それは先週土曜日、石田泰尚氏のソロとシュナイト指揮神奈川フィルによるシューマンのヴァイオリン協奏曲を聴いている最中のこと。この一見晦渋な協奏曲、今日はこれを聴きたくてやってきたのだけど、今まであまり意識していなかったこの協奏曲のバロック的な側面が、少しづつ浮かびあがってくるように感じられて仕方がない。これはもしかして、、、という思いをかかえたまま、急ぎ帰宅したら自宅にて資料を開いてみたら、ああ、やはりそうだったのかと。この作品は明らかにシューマンからのヨハン・セバスティアン・セバスティアンバッハへのオマージュだったのではないかと。
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このシリーズでは、これまでにペーター・ギュルケやブライアン・ニューボールドの補筆完成版などを通じて、シューベルトが未完成のまま交響曲の断片を紹介してきた(前回はこちら)。ただ、シューベルトのまだ見ぬ交響曲の姿を求めて、後生がオーケストレーションを施すという動きは、これらだけではない。その長大さ、そしてピアノや室内楽の枠組みをはみ出したスタイルゆえに、後期作品のオーケストレーションがいくつか存在している。そのような試みの背後には、1825年に作曲された言われたグムンデン=ガシュタイン交響曲という幻影の影響がある。さらには、この動きには、ヴァーグナーとハンスリックの対立、そして、19世紀以降の現在も続くロマン主義の影響も感じとれる。このエントリーでは、このシリーズの最後として、これら後期作品のオーケストラ編曲版を簡単に紹介する。
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